ドンペリドン(ナウゼリン®)で誤嚥性肺炎を減らせる?
- S A
- 2 日前
- 読了時間: 3分
脳神経外科看護師が知っておきたい臨床研究のポイント
脳神経外科病棟では、誤嚥性肺炎はとても身近で、そして厄介な合併症です。
脳卒中後、パーキンソン病、認知機能低下、長期臥床患者など、
「誤嚥リスクの高い患者さん」は日常的に看護の対象になります。
そんな中、
ドンペリドン(ナウゼリン®)が誤嚥性肺炎を抑制した
という臨床研究が報告され、注目されています。
今回は
👉 「なぜナウゼリンで肺炎が減ったの?」
👉 「看護師として何を意識すればいい?」
を、できるだけ噛み砕いて解説します。
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そもそもドンペリドン(ナウゼリン®)って?
ナウゼリン®は、消化管運動促進薬です。
作用のポイント
• ドパミンD2受容体を遮断
• 胃や食道の動きをよくする
• 吐き気・嘔吐を抑える
📌 中枢(脳)にはほとんど作用しない
→ 高齢者や脳疾患患者でも使いやすいのが特徴です。
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なぜ誤嚥性肺炎が減ったの?
ここが一番大事なポイントです。
誤嚥性肺炎の原因は「食べ物」だけじゃない
実は多くの場合、
• 胃内容物の逆流
• 唾液の誤嚥
• 夜間の不顕性誤嚥
が関係しています。
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ナウゼリンが効いた理由(考え方)
① 胃内容排出が改善
胃に食べ物が溜まる
↓
逆流しやすくなる
↓
誤嚥リスク↑
👉 ナウゼリンで胃が空になりやすい
→ 逆流が減る
→ 誤嚥リスクが下がる
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② 嘔吐・逆流が減る
• 吐き気
• むかつき
• 胃食道逆流
これらが減ることで、
誤嚥の「きっかけ」自体が減少します。
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③ 夜間・無意識下の誤嚥が減る可能性
特にパーキンソン病などでは、
• 嚥下反射低下
• 唾液貯留
があり、本人が気づかない誤嚥が問題になります。
👉 胃内容物が少ない=誤嚥しても重症化しにくい
という点も重要です。
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どんな患者さんで効果が示されたの?
研究では特に、
• パーキンソン病患者
• 高齢者
• 嚥下機能が低下している患者
で、誤嚥性肺炎の発症率が低下したと報告されています。
📌 「全ての患者に必ず効く」わけではない
📌 予防効果が示唆された、という位置づけ
ここは看護師として正しく理解しておきたいポイントです。
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看護師が臨床で意識したいポイント
① 「吐き気止め」だけだと思わない
ナウゼリンは
❌ ただの制吐薬
ではなく、
⭕ 誤嚥リスクを下げる補助的薬剤
として見る視点が大切です。
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② 投与タイミングを確認
• 食前投与が基本
• 経管栄養前に処方されているか
👉 「なぜこの患者さんに出ているのか」
を意識すると、看護の質が上がります。
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③ 副作用チェックも忘れずに
• QT延長
• 不整脈リスク(特に高齢者・併用薬あり)
📌 心電図・内服歴の確認は重要です。
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まとめ(看護師さんへのメッセージ)
✔ ナウゼリンは誤嚥性肺炎を「直接治す薬」ではない
✔ でも、誤嚥の起点を減らす可能性がある
✔ 薬の意味を理解することで、観察・ケアの視点が変わる
誤嚥性肺炎は、
看護の工夫 × 薬物療法
で防げる部分があります。
「なぜこの薬が出ているのか」を考えること自体が、
すでに質の高い看護です。
本研究は主にパーキンソン病患者を対象としたもので、
脳卒中患者を直接対象とした臨床研究ではありません。
しかし、誤嚥性肺炎の病態には共通点が多く、
脳卒中患者においても参考になる可能性が示唆されています。





