2025年高血圧ガイドライン改訂を どう受け止めるか
- S A
- 2025年12月20日
- 読了時間: 3分

2025年8月、6年ぶりに高血圧の治療ガイドラインが改訂されました。
今回の改訂で最も大きな変更点は、年齢や合併症の有無にかかわらず、
目標血圧が「130/80mmHg以下」に統一されたことです。
これまでは、
• 高齢だから少し高めでもやむを得ない
• 持病があるから、このくらいで経過観察
といったように、患者さんの背景に応じた「個別の目標設定」が行われてきました。
しかし近年の研究により、血圧が130〜139mmHgの“境界域”であっても、
将来的な心血管イベントや脳卒中のリスクが高まることが明らかになってきました。
また日本は、他国と比べて
👉 「治療を受けていても目標血圧に達していない人が多い」
という現状もあります。
こうした背景から、
「もう一段階、しっかり血圧管理をしていこう」
というメッセージが、
今回のガイドライン改訂には込められていると考えられます。
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現場で気になるのは「下げすぎ」のリスク
一方で、看護の現場に立つと、正直な不安もあります。
家庭血圧で125/75mmHg以下という目標は、決して簡単ではありません。
血圧を下げすぎることで、
• めまい
• ふらつき
• 活気の低下
• 腎機能への影響
といった症状が出てこないか、注意深い観察が必要になります。
「薬が増えてしまうのは、患者さんにとって負担にならないだろうか」
そう感じる場面も、決して少なくありません。
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これからの血圧管理で、看護師に求められる視点
今回のガイドラインは、
「とにかく数字を下げる」ことを目的にしたものではありません。
むしろ大切なのは、
• 数値の変化
• 患者さんの訴え
• 「いつもと違う」様子
をいち早く察知し、医師と共有していくこと。
血圧値+生活背景+体調変化をセットで捉えることが、
これまで以上に重要になってきます。
血圧治療は、
数字だけを見る時代から、
「その人らしい生活を守りながら管理する時代」へ。
その中心に、看護師の観察力と気づきがあると感じています。
まとめ
ガイドラインが変わるたびに、私たちは「正解」を探そうとします。
けれど、実際の臨床で向き合っているのは、数値ではなく生活を送る“人”そのものです。
血圧を下げることは目的ではなく、
その先にある「転倒しない日常」「再発しない未来」「その人らしい暮らし」を守るための手段。
だからこそ、看護師の観察力や違和感に気づく力は、これからますます重要になっていきます。
「この患者さん、今日は少し元気がない気がする」「数値は良いけれど、どこか様子が違う」
そうした言葉になりにくい気づきこそが、重症化を防ぎ、予後を変える第一歩になることを、私たちは現場で何度も経験してきました。
一般社団法人 脳神経外科看護研究会(NurCe)は、
こうした現場の違和感を、根拠ある知識と結びつけて考えられる看護師・コメディカルを増やしたいと考えています。
このコラムが、
「自分の血圧管理の関わり方はどうだろう」
「患者さんを“数字だけ”で見ていなかっただろうか」
そんな振り返りのきっかけになれば幸いです。
NurCeのホームページには、脳卒中、周術期看護、高齢者ケア、ガイドラインの読み解きなど、日々の臨床にすぐ活かせる視点をまとめたコラムを掲載していきます。
ぜひ他の記事も読みながら、あなた自身の看護をアップデートするヒントを見つけてください。
そしてもし、「もっと深く学びたい」「現場での判断に自信を持ちたい」そう感じたときには、私たちのセミナーやSNSが、学びを続ける場になれたら嬉しく思います。
看護の力で、患者さんの未来を変える。その一歩を、NurCeと一緒に踏み出してみませんか。





