ICPセンサーは予後を改善しない!?
- S A
- 9月25日
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更新日:10月25日

重症頭部外傷では、頭蓋内圧(ICP)を測るためにICPセンサーを留置します。
ICPセンサーの予後改善効果は、
はっきりしていないためランダム化比較試験が
ボリビアとエクアドルで行われました。
医学会でもっとも権威の高い雑誌である
New England Journal of Medicineに2012年に掲載されています。
重症頭部外傷324例を
ICPセンサー群と
画像診断群に
ランダムに振り分けて、その効果を検証しました。
その結果、ICPセンサー群と画像診断群で予後は変わりませんでした。
(機能、認知スコア ICP群56点 vs 画像診断群53点)
死亡率も同等でした(39% vs 41%)。
ICU滞在日数も統計学的に同等でした(12日 vs 9日)。
この結果を見ると、
ICPセンサーを留置しても意味がないのではと思われます。
また日本は欧米に比べると、
簡単に頭部CT検査が撮れるためICPセンサーが普及しにくいのかもしれません。
頭蓋内圧を下げる最後の手段である外減圧術に頼らざるを得なかったのでしよう。
頭蓋内圧亢進は、脳虚血を招き、患者の転帰を悪化させます。
脳室内に留置するタイプのドレナージ付きICPセンサーは、
髄液を抜くことができます。
髄液を数cc抜いただけで頭蓋内圧は、5〜7mmH2Oくらい低下します。
頭蓋内圧亢進時には有効な手段なので、ICPセンサーは今でも必要ではないでしょうか。
さらなるエビデンスの積み重ねが必要ですね。





