脳卒中患者さんの便秘と便通管理|誤嚥性肺炎予防につながる看護ケア
- 38 分前
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「便が出ていないけれど、もう少し様子を見ても大丈夫かな?」
脳卒中患者さんの看護では、
排便状況はつい「排泄の問題」として捉えられがちです。
しかし、実は便通管理は、誤嚥性肺炎の予防にもつながる重要なケアです。
脳卒中後は、さまざまな要因が重なって便秘になりやすくなります。
そして便秘が進行すると、腹部膨満や悪心・嘔吐を引き起こし、嚥下機能が低下している患者さんでは、嘔吐物を誤嚥して肺炎につながる可能性があります。
今回は、脳卒中患者さんの便秘が起こりやすい理由から、看護師が日々観察したいポイント、早めの対応が重要な理由まで整理します。
なぜ脳卒中後は便秘になりやすい?
脳卒中後の患者さんが便秘になりやすい理由は、一つではありません。
① 活動量の低下
発症後はベッド上で過ごす時間が増え、活動量が低下しやすくなります。
身体を動かす機会が減ることで、腸の動きも低下し、排便しにくくなることがあります。
② 食事量・水分摂取量の減少
食欲が低下したり、嚥下機能の問題などから食事や水分の摂取量が減ったりすることも、便秘につながります。
③ 便意を伝えにくい
麻痺や意識障害、失語などがあると、
「トイレに行きたい」「便が出そう」
といった感覚や訴えを周囲に伝えることが難しくなる場合があります。
また、移動や排泄動作そのものに介助が必要になることで、排便を我慢してしまうケースもあります。
④ 薬剤の影響
降圧薬、抗てんかん薬、鎮痛薬など、使用している薬剤によっては便秘を悪化させることがあります。
そのため、排便状況だけでなく、薬剤の変更や追加がなかったかも確認することが大切です。
便秘が進むと、なぜ肺炎につながるの?
便秘は、単に「お腹が張って苦しい」というだけではありません。
便がたまることで、
腹部膨満
食欲低下
悪心
嘔吐
腹痛
などが起こることがあります。
ここで注意したいのが、嚥下機能が低下している脳卒中患者さんです。
便秘が進行↓腹部膨満・悪心・嘔吐↓嘔吐物を誤嚥↓誤嚥性肺炎
という経過につながる可能性があります。
特に高齢者や意識障害のある患者さんなどでは、誤嚥をきっかけに全身状態が急激に悪化することもあります。
だからこそ、便通管理は「排便を整えるためだけのケア」ではありません。
患者さんの安全を守るための重要な観察項目の一つとして捉えることが大切です。
看護師が毎日観察したいポイント
「何日便が出ていないか」だけを確認するのではなく、普段の状態と比較しながら、患者さんの小さな変化を捉えましょう。
排便について
排便の有無
排便回数
便の性状
普段と比べて変化がないか
全身状態について
腹部膨満・腹痛
食欲低下
悪心・嘔吐
活気や全身状態の変化
さらに、脳卒中患者さんでは誤嚥性肺炎につながる変化にも目を向ける必要があります。
痰の増加
発熱
酸素化の変化(SpO₂など)
咳や呼吸状態の変化
など、便秘だけに視点を限定せず、全身状態を合わせて観察することが重要です。
「3日出ていない」はどう考える?
便が3日間出ていない場合には、患者さんの普段の排便状況や腹部症状、全身状態などを確認し、主治医や担当医へ報告して、下剤の調整・追加などの対応を検討してもらうことが大切です。
ただし、「3日出ていなければ必ず下剤」という単純な判断ではなく、患者さんの状態や施設の基準、治療方針などを踏まえて判断します。
「まだ大丈夫かな」と様子を見すぎてしまうと、便秘が進行して、摘便や浣腸などの処置が必要になる場合もあります。
早めに気づき、早めに報告・介入することが、患者さんの苦痛軽減につながります。
便通管理は「排泄ケア」だけではありません
脳卒中患者さんの便通管理は、排便を整えて患者さんの苦痛を軽減するだけではありません。
便秘の悪化によって起こる腹部膨満や悪心・嘔吐などの変化を早期に捉え、誤嚥性肺炎や全身状態の悪化につながるリスクを減らすことにもつながります。
「今日は排便があったか?」
この一つの観察から、患者さんの全身状態を考えることができます。
毎日の小さな変化に気づき、必要なタイミングで報告・介入する。
それが、脳卒中患者さんの安全と回復を支える大切な看護につながります。
今回の記事のポイントを、ぜひ上の画像でも確認してみてください。
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